とうとうお馬に乗る日が来た。
正当に思いっきり、お馬さんに触れるのである。問題はたんぽぽの体力・体調。
乗馬クラブ待合室の熱気というか、皆様の“お馬乗るぞエネルギー”にややあてられつつ、案内が来るのを待った。
ヘルメットつけて、ボディプロテクターつけて、足当てつけて、軍手して。最重要アイテムであるニンジンを握り締め、先生と一緒にいざ、馬場へ向かう。
体験コースには一人一人に先生がつく。生徒はたんぽぽとおばさまの二人。
たんぽぽの乗る馬は、クラブ最年長、馬年齢80歳、おじいちゃん馬“ハワイアン コーラル”さん。おじいちゃんだけど、やはりでかい。有馬記念でオグリキャップと走ったという経歴を聞いてびっくり。
乗る前にコーラルさんをなでなで~。
「コーラルさん、よろしくねー。」
しばらくすると、コーラルさん、たんぽぽの体にぐりっと頭をくっつけてきた。
一緒に講習を受けるおばさまは、やるきまんまん。
お馬の背中に乗って・・・・やはり高い。が、たんぽぽ、コーラルさんの首筋をじーっと見つめ。
「コーラルさん、首筋、アルパカそっくり・・・」
先生
「アルパカ・・?」
とたんぽぽの発言に理解不能。
たづなの持ち方、姿勢の取り方を教えてもらって、始めは“止まれ”から。ぐぐっと自分の体ごと後ろに倒すようにして、手綱を引く。
「コーラルさんっ、ブレーキッ!」
コーラルさん止まってくれる。ありがとう~と肩をぽんぽんたたくと、また歩き出す。
今度は“並足”
「コーラルさん、歩いて。スピードアップ!」
とお腹をかかとでトンッと蹴ると、コーラルさんは歩き出す。
たんぽぽは気付くと汗をかいていた。
「じゃあ、早足いきますか?」
と先生。手綱の持ち方変えて、先生の掛け声でコーラルさんスピードUP!
(おおおっ体がゆれるぅ~)
体がぽんぽん、ぽんぽん、揺れるのである。少し怖い。が、一緒に講習受けているおば様は強かった。げしげしいこうとする様子。逆に先生にストップをかけられていた。スピード感怖くないらしい。おば様強しっ。
またしばらく、並足練習の後、早足に挑戦して、終了。
「コーラルさんありがとうーっ」
とたんぽぽ、コーラルさんなでなで、ぽんぽん。コーラルさん頭をたんぽぽにこすりつける。わははははは、ついでによだれもこすりつけられていた。
手綱を引いて、厩舎へコーラルさんをいつれていく。ここでやっと、コーラルさんへニンジンを進呈!
「・・・・・・あれ?」
ボリボリボリボリボリボリボリボリ・・・・・・・・
「あのー・・コーラルさん、にんじん」
ボリボリボリボリボリボリボリボリ・・・・・・・・
「えっとね・・・」
ボリボリボリボリボリボリボリボリ・・・・・・・・
「あーもう食べることに夢中で、ニンジン目に入ってないですねぇ」
とコーラルさんを見て、先生が言った。
そう、コーラルさん、自分のえさ箱のお昼に夢中で、ニンジン気付かず。ひたすら、自分のえさ箱のご飯を食う。仕方なくニンジンは、えさ箱の中に入れておく。ちょっと残念。先生曰く、
「ほかの馬ならニンジンに飛びつくんですけどねぇ。コーラルは食い気が強いから」
とのこと。食事中のコーラルさんをなでた押した後、クラブハウスへ戻る。
途中、ほかの人の乗馬風景を見ていて、たんぽぽはあることに気がついた。
「あ、馬のお腹蹴るとき、片足じゃなくて両足で蹴るんだったんですねぇ~」
「えったんぽぽさん、コーラルのお腹、片足で、蹴ってたんですか?」
「はい」
「あーそれは・・・コーラルの反応が鈍かったわけですよ。並足なのかどうなのか、よくわかんなかったんじゃないですかね」
たんぽぽのビミョーな命令を訊いてくれたコーラルさん。
きみにカンパイだ。
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